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第20回 国際HPH(Health Promoting Hosptitalss)
参加者の報告

医局 舟越 光彦

医局 山本 一視

3年目研修医 花山 愛

リハセンター 理学療法士 伊藤 毅充

地域連携室 甲斐

第20回HPH国際カンファレンス参加報告
2012年4月 地域連携室 甲斐
□第20回HPH国際カンファレンス概要
日時:2012年4月11日〜13日 カンファレンス
開催場所:台湾・台北
参加:舟越医師、山本医師、花山医師、園田医師、伊藤PT、甲斐
世界約43カ国、1,300名が参加
□カンファレンスに参加して
 今回、20回目を迎えるHPH国際カンファレンスは、初のアジア開催で、またヨーロッパ以外で開催される初めてのカンファレンスとして、世界各国でのネットワークの広がりを示すものとして注目されたカンファレンスとなりました。20回目という節目を迎え、当初HPHが目指したもの、そして今までの活動の到達点、今後の課題について、話合う事を目的とし、開催されました。
 今回のテーマとして、(1)変化する世界の岐路に立つヘルスケア:ヘルスケアの提供とヘルスプロモーション、ヘルスシステム設計に対する新たな要求、(2)HPHに関する介入のエビデンス:すでに何がわかっていて、今後どんな研究が必要なのだろうか、(3)ヘルスサービスでの公衆衛生上の課題を強化する、(4)HPHがより一層貢献するためにどのような能力が必要だろうか、(5)ヘルスプロモーションの達成に向けたヘルスサービスの方向転換の20年と今後の展望、といった5つの主要なトピックスに焦点をあてたものでした。 最初の本会議では、「社会的健康の決定因子」といったテーマで世界医師会 会長(ブラジル:ホセ・ゴメス・ド・アマラル)からの報告があり、テーマ(1)の問題における自分(私)たちの役割は何なのかについて問題提起がありました。その中で、不健康になりうる要因について、もっと介入し取り組む必要があり、不健康になる要因として、人の誕生、成長、生活、仕事、年齢があり、その不健康になりうる要因は社会や文化、環境や経済状態に大きく影響することが言われ、まさにその部分に介入し人が健康であることが(健康をつくっていく)ことが、社会や様々なものを安定させることではないかと思いました。私たちが日常的に取り組んでいる何気ない健康づくりが世界の健康へとつながることを感じました。さらに、もっと科学的なデータを基に、社会的健康の決定因子(SDH)を明らかにしていく必要があると感じます。最後には、不健康の状態を修復する(あるいみ対処療法)にとどまらず、重要なのは不健康を引き起こす要因へ介入することが必要だと提起され、私たちの活動にどう反映させていくべきかと考えさせられました。
 その他、台湾では、国が率先してHPHの推進を行っていることをあげられ、ネットワークが広がってきた経験が紹介されました。「ヘルスプロモーションをかなえるヘルスケアのための保健政策や保健制度能力はどのように創出し、維持できるか」といったテーマで報告され、台湾では、2006年にネットワークが設立され、現在76の組織加入まで広がっています。しかし、加入にあたっては、活動拠点の病院として、HPHの教育活動に参加することや、HPHの概念、方法、ツールへの理解を深める必要があるとされており、さらにWHOのHPH基準について自己査定を行い、自分の組織の弱点を確認した上で、改善するための行動計画を作成し、また3つ以上のヘルスプロモーションPJに取り組むか、実績を報告するかを行った上で、正式に加入を認めるかどうかの訪問調査の申請を行って承認されるとの報告を受け、日本でいう「病院機能評価」に匹敵する内容で、HPHへの加入が位置づけられていること感じました。加入後も、4年ごとの更新を受け、ヘルスプロモーションの質向上に取り組んでいるかの確認もあり、言い方は正しくないかもしれませんが、病院が健康について競争し、お互いを高め合っているという状況だと感じました。実際に審査項目で指摘のあった内容は、次の更新時に改善が行われているそうです。今では、台湾のHPH病院がヘルスプロモーション政策の実施および国民の健康向上を支援する上で、政府のかかせない強力なパートナーであることを証明しているとの報告で、現在の日本の社会保障制度の在り方と比較しても大きく異なり、私たちが参加し日本に帰ってHPHの活動と合わせ、他の施設、病院への呼び掛けなど、少しのところから社会へ訴えていくことの重要性を強く感じました。
 全体会議の他、オーラルセッションや分科会でも、各国の取り組みが報告され、ディスカッションが行われました。また、2日目の夕食交流会では、デンマークやスイス、シンガポールの医師などとの交流も行い、国々での抱える医療問題や健康問題も様々である中で、ヘルスプロモーションの理念に集まり、自分の国でできることを考える有意義な時間となりました。
 最後に、この3日間で各国の経験や、HPHに対する問題提起などを受け、日本ですぐに導入する難しさも感じましたが、やはり大事なことは、HPHに加盟している病院として、私たちの病院がまず何をやるべきかを明確にしていく事だと思います。HPHに関する病院としての方針と位置づけ、その一つが他の病院とのネットワークづくりだと思います。現在、日本で4つの病院が加盟していますが、民医連の病院のみであり、この枠を、地域でともに健康づくりを行う連携病院として、地域の民間病院、公的病院、大学病院などへと広げていくことが重要だと感じます。そのネットワークを広げることによって、国や社会へ働きかけ、制度へと結び付けていくことができるのだと感じました。残念ながら、日本では厚労省などが率先し、HPHを呼び掛け推進するとはなっていません。だからこそこのネットワークを知るものが、広げていく任務があると痛感しました。できることは限られているかもしれませんが、引き続きHPHの活動を実践することと知らせることに力を入れていきたいと思いました。今回、参加させて頂き、ありがとうございました。今後の活動に活かしたいと思います。

<病院見学に関する報告>
 最終日に台湾の桃園にある病院を見学させて頂きました。病床数は、700床程度で、医師数は約100名。地域の中心的な役割を果たしているHPHの病院です。当日は、無料検診が行われており、同行させて頂きました。検診は、問診から身長、体重、眼、尿、血液、X線、マンモグラフィー、子宮、口腔癌、栄養指導等、多岐にわたる項目で検診が行われていました。毎週日曜日に開催され、年間その地域の5割の方が検診を受診するそうです。今回は、約1,000人の方が検診を受診し、ボランティア等100人規模で受入れを行ったとの事でした。会場は、近くの中学校が貸し出され、アットホームな感じを受けました。検診の項目の多さやすべてが無料(制度として)で行われていることに驚きました。
 
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