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「食物繊維を摂ろう!」

「食物繊維を摂ろう!」

~HPH推進ニュースより~

千鳥橋病院栄養部では、HPH料理教室を開催しました。

今回のテーマは 「食物繊維を摂ろう!」。食物繊維が豊富、また、秋が旬の食材も用いたメニューと食物繊維の摂り方やその効能もご紹介します。

 

~食物繊維摂取のポイント~

①1日3食、規則正しく食べる。

 食事を抜いたり減らし過ぎたりして食物繊維の摂取量が減ると、便の量も減ってしまい、便秘にもつながりがち。消化器官を動かすリズムを作るためにも、欠食しない・規則正しく3食摂る事を意識しましょう。 

 

②毎食欠かさず、野菜・海藻・きのこ類の入ったおかずを食べる。

 まず、野菜類は1日350g以上(=生野菜なら両手1杯、加熱した野菜なら片手1杯分は必要)確保する事。海藻類やきのこ類も組み合わせて摂ると良いでしょう。

 

③食物繊維が豊富な食材を、積極的に取り入れる!!

野菜類を350g摂取していても、食物繊維量は不足しているケースが多くあります。だからといって単に野菜量を増やすと、調味量や油脂まで増えて、塩分・エネルギー過剰に陥る危険性も・・・。そこで、食物繊維が豊富な食材を積極的に使うのがお勧め。それらを使ったレシピをご紹介します。

 

さつまいも入り麦ごはん

材料(炊きあがり3合強) 分量 

精白米          2合(300g)

押し麦          100g

さつまいも      中1本(200g)

酒              大さじ1(15g)

煎り黒ごま      適量

 

 

 

 

 

作り方

①さつまいもは1.5cm角くらいの角切りにし、5~10分水にさらして灰汁を抜く。

②精白米を研ぎ、炊飯器に通常の水加減でセットする。

  押し麦を入れ(洗わなくてOK)、水を200ml加える。

  水気を切った①、酒も加え、炊飯器の通常モードで炊く。

③炊きあがったら、さつまいもが崩れすぎないように全体を軽く混ぜる。

茶碗に盛り、好みで黒ごまを振る。

 

☆白ご飯150gあたり、食物繊維は約0.5g。まずは主食を抜かずに3食食べること、そしてここに食物繊維の豊富な素材をプラスする事で、食物繊維摂取量をUPできます。

塩分過剰は防ぐため、今回はあえて食塩を加えないご飯にしてみました。

1人分

(炊きあがり200gあたり) 約306kcal 塩分0g 食物繊維 約2.9g

(炊きあがり150gあたり)約230kcal 塩分0g 食物繊維 約2.2g

(炊きあがり120gあたり)約185kcal 塩分0g 食物繊維 約1.8g

 

 

鮭ときのこのちゃんちゃん焼き風

材料(4人分)   分量 

生鮭         4切れ(60g×4切れ)

食塩         少々(0.4g)

好みのきのこ類 240g

長ネギ    中1本(80g)

味噌   大さじ1と小さじ1(24g)

醤油      小さじ2/3(4g)

みりん     18g(大さじ1)

水        大さじ2(30g)

サラダ油  小さじ2(8g)

(1人分 約137kcal  塩分約1.1g  食物繊維約3.1g)

 

 

 

 

作り方

①生鮭を半分に切り、食塩をふって5分程おき、出てきた水分はキッチンペーパーで拭き取る。

②きのこは石突をとり、食べやすい大きさに切るかほぐす(椎茸は薄切り、えのきは半分に切ってほぐし、しめじもほぐしておく)。長ネギは根元を落として、斜め薄切りにする。

③サラダ油以外の調味料と水をよく混ぜて合わせ調味料を作る。

④フライパンを熱してサラダ油をしき、生鮭を両面こんがりと焼いたら、一度皿に取り出しておく。

⑤フライパンの汚れがあればキッチンペーパーでさっと拭き取り、再度熱して長ネギ、きのこを炒める。火が通ったら④の鮭をもどし入れ、上からまんべんなく③の合わせ調味料を回しかける。蓋をして中火で2~3分、蓋を取って1分程蒸し焼きにして全体に合わせ調味料が絡み、適度に水分が飛んだら完成。

☆きのこ類は、エリンギ、まいたけ、マッシュルーム等なんでもOK。

☆鮭の代わりに豚もも肉や鶏肉(火が通りにくいので薄切りで)、長ネギの代わりに人参やキャベツ等を組み合わせてもおいしいです。

 

☆きのこに豊富に含まれる食物繊維と、味噌に含まれる乳酸菌等を同時に摂る事は、腸内環境の改善効果を高めると考えられています。

 

おからのサラダ

材料(4人分) 分量 

生おから    100g

きゅうり      1本(100g)

食塩        少々(0.4g)

玉ネギ      中1/4個(60g)

ツナ缶(水煮) 1つ(60g)

マヨネーズカロリーハーフ) 大さじ2と小さじ1(28g)

ヨーグルト(無糖) 40g

醤油      小さじ1弱(5g)

穀物酢   小さじ1(5g)

こしょう    適量 

(1人分 約78kcal  塩分約0.6g 食物繊維約3.4g)

作り方

①おからを耐熱皿に広げ、電子レンジで加熱し (600Wで1分程、全体が温まるまで)、冷ましておく。

②きゅうりは輪切りにして塩もみし、しんなりとしたら絞って 水気をよく切る。

 玉ネギはみじん切りにしてしばらく水にさらしてから、ザルに 上げて水気を切る。

③ボウルにマヨネーズ、ヨーグルト、醤油、穀物酢、こしょうの順に混ぜ合わせていき、①と②、ツナ缶を入れてよく和える。水分が足りないようなら水を少し加えると良い。

☆こちらも腸内環境改善効果が期待される、おからの食物繊維+ヨーグルトの乳酸菌の組み合わせです。

☆おからに含まれる水分量や加熱時の蒸発量、野菜の水分等によって、仕上がりに差が出ます。ぱさつく場合は好みの口当たりになるよう、水か牛乳少量を加えて調整すると良いでしょう。

 

 

アーモンドミルク寒天と即席りんごジャム

 

材料(4人分)           分量 

アーモンドミルク(無糖)      360g

粉寒天          2g

パルスイート         8g

アーモンドエッセンス  3~4振り

りんご 1/2(100g)

レモン果汁          8g

パルスイート         8g

 

 

 

 

 

作り方

①アーモンドミルクと粉寒天を鍋に入れ、よく混ぜながら火にかける。沸騰してきたら弱火~中火にし、ふつふつとしている状態で、混ぜながら2分程加熱する。

②パルスイートも加え混ぜて溶かし、アーモンドエッセンス

  も加えて混ぜたら、好みのカップ等に等分に注ぐ。

  あら熱を取ってから、冷蔵庫で冷やし固める。

③即席りんごジャムを作る。

  りんごは皮ごと1cm程の角切りにし、レモン果汁、パルスイートをまぶしておく。

  耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する(600Wで2~4分)。りんごに火が通って柔らかくなったら、一度全体を混ぜてからしばらく置いて

冷ましておく。 

④②が固まったら、冷ました③を載せる。

 

☆アーモンドミルクにも食物繊維が含まれています。種類によってその量は様々ですが、

今回使ったものは、200gあたり食物繊維3.4g(=無調整豆乳の8.5倍)。

ただし、商品によっては砂糖等の糖分が含まれているもの、高エネルギーのものもあるので、選ぶ商品と摂取量には注意しましょう。

 

☆即席りんごジャムは、リンゴの皮の色素とレモン果汁の酸で、きれいなピンク色に

色づきます。市販のりんごジャムは皮を剥いて身のみ使用してある物が多いですが、

食物繊維摂取のためにも皮ごと使いましょう。ヨーグルト等に入れてもおいしいです。

(1人分 約32kcal 食物繊維約2.3g)

 

 

 

 

 

 

 

1日目標量(日本人の食事摂取基準より)1/2以上確保!

→約 477kcal  塩分 約1.9g 食物繊維約11.0g(さつまいも入り麦ご飯150gとして)

※食物繊維は、その生理作用から生活習慣病等の予防の観点においてとても大切です。

市販の食物繊維強化食品等を用いるのも一つの方法ですが、そうした食品を使用する場合、過剰摂取にも注意が必要になります。食物繊維があまりに過剰になると、下痢症状を引き起こしやすくカルシウムや微量元素の体外排泄を増大してしまう、といった弊害もあるため、注意が必要です。

※消化器等の手術を受けた直後や、腸閉塞を起こした事のある方、重度の下痢症状がある時は摂取を控えた方が良い場合もあるので、その場合は主治医の指示に従ってください。    

 

千鳥橋病院HPH推進ニュース

発行:HPH推進委員会 2019年10月30日