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食中毒にご注意

福岡では梅雨が明けて、抜けるような青空と朝早くから蝉の大きな声が夏の到来を感じさせてくれます。

暑くなってくると増えてくる食中毒。特に昨年からのコロナ禍で、家で調理をする機会や、換気の良さから釣りをして釣れた魚を自宅で調理したり、外でバーベキューをしてリフレッシュされる方も増えていると思います。

このような場面で注意したい食中毒として、注意点も含めていくつかご紹介します。   食材の正しい管理、調理方法を守って、楽しく安全に過ごしましょう。

 

食中毒とは?

食中毒は「食品に起因する胃腸炎・神経障害などの中毒症状の総称」と定義されており、多くは急な嘔吐、腹痛、下痢など胃腸障害をおこします。

 

よく見られる食中毒と予防法

*アニサキス

魚の寄生虫であるアニサキスはサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類に寄生します。

アニサキスが寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

主な症状は食後数時間後からの激しい胃の痛み、悪心、嘔吐です。

予防は新鮮な魚を選ぶ(アニサキスは魚介類の内臓に寄生していますが、魚介類が死んで時間が経つと筋肉に移動します)、捌いた時にアニサキスがいないか目視で確認する、内臓を生で食べない、冷凍・加熱は有効です。食酢や塩漬け、醤油やわさびでは効果がありません。

 

*カンピロバクター

カンピロバクター食中毒は国内で最も多く発生している細菌性食中毒です。

原因の多くはカンピロバクターが付着した鶏肉を加熱不十分で食べることで、鳥刺しや生焼けの焼鳥の摂取、バーベキューでの加熱不足などがよく聞かれます。

主な症状は下痢、腹痛、発熱、嘔吐、倦怠感などで、食後2~5日後と比較的後になって症状が出てくることが特徴です。

カンピロバクターは低温に強いので冷蔵庫を過信してはいけません。予防のためには、十分に中まで加熱すること、鶏肉などを取り扱う場合は調理する人の手洗い、まな板などの調理器具を清潔に保ち、調理の過程で他の生鮮食品や調理器具を汚染しないように注意することも大切です。