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整形外科からのご案内

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中高年の骨折

高齢者社会が進行する中、今まで以上に増加しているのが中高年者の骨折です。特に手足の骨折で発生数が多いのが、股の骨折(大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折)と手首の骨折(橈骨遠位端骨折)です。股の骨折は歩行のできる元気な高齢者だけでなく、寝たきりの方にも発生します。例えば、オムツ交換の時や、車椅子・ポータブルトイレに移す時にも発生しています。

高齢者の骨折の治療は、骨折そのものだけでなく、持病に対する治療や配慮を同時に行っていくのが重要です。当院では、循環器内科・呼吸器科・消化器科・代謝科・麻酔科などのスタッフと密接に協力して治療が行えるのが特徴です。「骨折だけなら対応できるのだが、持病があるので骨折の治療もむずかしい」との理由で、他の病院から当院へ紹介していただいているケースが多くあります。股の骨折である大腿骨頚部・転子部骨折の治療には、骨折部をできるだけ元の形に戻して金属で固定する骨接合術と、骨折部を人工物に交換する人工骨頭置換術の2つの手術法があります。

当院では、人工骨頭置換術を行う場合にはできるだけ手術の傷を小さくできるように配慮し、手術の際に切らなくてはいけない筋肉や腱や関節の袋も再度縫合するようにして、脱臼をしにくくするよう工夫しています。手首の骨折である橈骨遠位端骨折では、骨折部を元に戻して金属で固定する骨接合術を行います。手術に対しては、ロッキングプレートという特殊な金属性の螺子と板を使ってしっかりと固定をすることで、術後のギプス固定を2日程度とし早期にリハビリが行えるよう工夫しています。

リハビリテーション

当院では、治療を受ける皆様にリハビリを行う理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)が34名おり、運動器リハビリテーションチームが担当し、充実した術後のリハビリを受けることができます。PTやOTとは定期的に治療の検討を行い、最前の治療を目指しています。

膝の病気

膝の病気でよくみられるのが変形性膝関節症という、加齢や怪我で関節の軟骨が磨り減る病気です。当院では、通院で治療をする場合にはヒアルロン酸という軟骨を修復する作用のある薬を関節に直接注射することや、膝にかかるストレスを分散する装具を装着する方法や、膝の痛みを軽くするブロック注射治療など、できるだけ手術を行わずに治療を進めることに努めています。

しかし、手術を行わなければならない場合も出てきますので、その時は、内視鏡で痛んだ軟骨を修復したり削ったりする関節鏡視下手術や、骨を切って膝の形を矯正する骨切り術や、関節の表面を人工物に取り替える人工関節置換術などを行います。

肩こりの原因

いわゆる肩こりも多く見られる病気です。仕事のストレスや目の疲れからくることも多いですが、首の骨(頸椎)や神経(神経根症・脊髄症)にある場合や肩の関節そのものに原因がある場合は、整形外科で治療することになります。その中でも、いわゆる四十肩・五十肩は肩関節周囲炎といわれ、肩の筋肉や腱に原因があります。最初はのみ薬で治療しますが、十分効果がでない時は、変形性膝関節症と同じく、ヒアルロン酸を関節の中に注射します。注射で十分効果がないときは、内視鏡を使って細かい診断を行い、痛んだ腱を修復したり、飛び出した骨を削ったりする手術を行います。首が原因のときも最初はのみ薬で治療を行いますが、効果が十分でなく神経に原因がある場合は、レントゲンで見ながら神経の周囲に注射をするブロック治療を行っています。

腰の病気

高齢者社会に伴って最近増えている腰の病気に腰部脊柱管狭窄症があります。この病気は、加齢に伴って腰の神経の通り道が狭くなり、歩行中に下肢がしびれてきて休むとよくなる(間歇性跛行)のが特徴です。当院ではプロスタグランディンというのみ薬の治療を行っていますが、薬だけで効果が不十分であれば神経の通り道にくすりを注入するブロック療法を行っています。なお、間歇性跛行には、動脈硬化で起こる場合もありますので、その時はABIという足の血圧を測る検査を行い、循環器内科や血管外科と相談して治療にあたりますので、安心して受診してください。

腰痛の原因

腰痛の原因もいろいろとあります。よく知られているのが椎間板ヘルニアでしょう。椎間板ヘルニアは、椎間板という軟骨でできたクッションの中身が飛び出し神経を刺激して起こる病気で、足にも痛みが走るのが特徴です。以前は手術がよく行われていたのですが、MRIという検査の進歩でヘルニアが自然になくなってしまうことが多いのがわかり、以前よりは手術はしないようになりました。当院ではまず薬やコルセットなどで治療を行っていますが、症状が続く場合はブロック注射を行っています。手術については、骨の一部を削ってヘルニアを取り出す通常の手術以外に、小さな傷でヘルニアを取りだす経皮的髄核摘出術(レーザーを使わないので保険が効きます)も行っています。

骨粗鬆症という骨がスカスカになってきて脆くなり、簡単に骨折をしてしまう病気も最近注目されていますが、ある病気や加齢やある薬によって起こると言われています。診断は、症状とレントゲンや血液検査で行いますが、骨塩定量測定という検査も行っています。当院では、背骨や股の骨で測定しています。治療は、ビスフォスホネートやラロキシフェンという薬が注目されており、当院でも処方を行っています。

糖尿病は要注意

糖尿病が増えるにしたがって、それに伴う感染症も増えています。糖尿病が長くなると、神経が麻痺して怪我をしているのに気づかなかったり、免疫力が落ちて細菌に弱くなるので、特に足が化膿して腐ってしまうことがあります。当院では、内科の医師と相談しながら治療を行っていますが、それに加えて、高気圧酸素治療という高濃度の酸素を利用する治療を八木病院さんにお願いして行っています。

手根管症候群とは

手根管症候群は、手をよく使う方や妊婦や長期間透析を受けている方にみられる、手指がしびれてくる病気です。親指の付け根に筋肉が落ちてくるのが特徴です。薬が効かない時はできるだけ小さな傷で手術を行うよう工夫しています。
日帰り手術にも積極的に対応しています。当院では麻酔科の医師と協力して、局部麻酔単独や、伝達麻酔という局部麻酔の一種と静脈注射による麻酔を併用することで、対応しています。

その他、骨折を含む様々な手足の怪我や疾患に対応しています。スポーツによる怪我についてもご相談ください。